DA PUMP

【レポ】「FabFes」で魅せたDA PUMPの進化、ダンス系アーティストの今昔を凝縮

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MusicVoice にDA PUMPが出演した『FabFes. 2015 SUMMER』のレポートが掲載されています。


「FabFes」で魅せたDA PUMPの進化、グルーヴに大歓声
ダンス系アーティストの今昔を凝縮

2015年07月09日07時38分 

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 ダンス系アーティストだけを集めたダンスボーカルの祭典『FabFes. 2015 SUMMER』が7日、東京・渋谷公会堂で開催され、DA PUMPなど全11組が一夜限りのイベントを沸かせた。七夕ともあってか、お目当てのアーティストとの逢瀬にファンは大盛り上がりだった。このイベントを以下にレポートする。  【取材・小池直也】

 全11組の豪華出演者数ともあってか、開演時間は平日としては少し早目の午後5時半だった。会場は多くのファンで埋め尽くされていた。

 紹介映像の後に、グレーのジャケットをユニフォームにしたNEVA GIVE UPが登場。彼らの出演時間は短かったもののフレッシュにパフォーマンス。サビではファンたちがジャンプしたり声援を送ったりする様子も見られた。

 間を置かず、大人っぽい雰囲気で華麗なダンスとマイクリレーを見せたのはFlowBack。更に、メロウなイントロからブルーハーツのカヴァー「リンダリンダ」を披露し会場を驚かせたBRIDGET、唯一のソロプロジェクトでパワフルな歌声を聴かせたKunta Yamasaki、キレのあるダンスと歌を披露しながら会場を上手く巻き込んでいたKaleido Knightへと続いた。

心を掴んでいったAKZ

 次に登場したのは唯一の韓流新人グループAKZ。「今日は光栄です。何故ならみんな綺麗」と流暢な日本語でMCしてから(その後もMCは全て日本語)、クオリティの高いパフォーマンスを展開。ライヴが進むにつれて、ひとりまたひとりと花が咲くように立ち上がって声援を送るオーディエンス。それを見るに着実に心を掴んだ様子。バックトラックのクオリティも高く見ごたえのあるステージだった。

 日本勢も負けていられないと、白いインナーに青いセットアップの出で立ちで登場したX4。全体的にテンポの遅い曲が多かったが、それを悠々と乗りこなし歌い上げる彼らのリズム感覚に驚かされる。メロウなナンバーで光る汗が艶っぽく、見事なコーラスワークを聴かせていた。ステージを降りて客席で歌うパフォーマンスにファンも喜びを隠せない。

 対照的に、5IGNALは早いテンポの曲に翻弄されること無くファンキーに歌うヴォーカルとダンスに目と耳を奪われた。リズムへのアプローチがグルーヴィーで見る側もつい体を動かしてしまう。サイリウムを回す女性ファン。カモフラージュ柄のジャケットを振り乱しながら素早い動きを繰り出し続けるメンバーたち。各ダンサーがフィーチャーされるソロパートも用意してしっかり見せ場を作っていた。

 ここからイベントも佳境へ。続いて登場したPrizmaX。メインボーカル2人の英語、日本語を自在に往復するバイリンガルとハイトーンボイスが持ち味だ。全体的にポップな雰囲気ながらも粘っこいノリのボーカルが際立つ。現代的なジャクソンズといった印象を持った。代々木でストリートライヴをしていた下積み時代の集合場所が渋谷公会堂前だったようで、このステージに立つ感慨もMCで語ってくれた。

 そしてBeat Buddy Boi。ラップも歌もこなすメインヴォーカルに7人のダンサーを擁する8人組。ヒップホップに寄ったサウンドの中、大人数で繰り出されるダンスは圧巻。ステージ一杯を使って大きくパフォーマンスしていく。

 ダイナミックなダンスが繰り出されると客席から歓声が沸いた。メンバーによるヒューマンビートボックスでフリースタイルラップとダンスが入り乱れる一幕も。コール&レスポンスもばっちりでオーディエンスも楽しそうにのっている。最後はm-floの「come again」をサンプリングしたナンバーで、DJがスクラッチをする様な振付けを会場全員で踊って締めた。

更新を続けるDA PUMP、次代へと紡ぐISSA

 トリを飾るDA PUMPは轟音のSEと共に姿を現した。ISSAが煽ると歓声が上がる。「盛り上がっていくぞー」と叫んで始まったのはヒット曲「ごきげんだぜっ!~Nothing But Something~」。音の質感は今っぽくリアレンジされてはいるが、やはり楽曲の持つ力は変わらないと改めて感じる。

 その後も各ダンサーがフィーチャーされながらノンストップで曲がミックスされていく。キラキラ伸びるISSAの歌声とトラックのリズムが絶妙に混ざって生まれるグルーヴに観客は総立ち。自然と皆踊っていることに気づいて驚く。

 ミュージカルの様なダンスワークの応酬が続いてから、EDM風の楽曲を織り交ぜるなど彼らの幅の広さをみせた。往年のキラーチューンからステージが始まったせいで目を眩まされたがDA PUMPは今もなお自己更新を続けていることを確認した。

 「最後まで盛り上がって行こうぜ!」とエンディングチューンの「We can’t stop the music」が始まる。最早余裕すら感じさせる力の抜けた、それでいて力強いパフォーマンスにグルーヴの深度がさらに増していく。ダンスフォーメーションも完璧。最後は拳を突き上げて終わりを迎えた。

 7人編成になってメンバーが変わったことも関係しているのか、ISSAが他の後輩メンバーを引っ張って先導していく様な雰囲気が「次世代にバトンを繋ぐ」とでもいう態度を現していたように思えた。

 最後に、出演者が横一列に並んでファンに感謝を捧げている時も、そんな事を考えていた。出演した若手がこの道を志そうと思ったのもDA PUMPはもちろんの事、先発した数多のパフォーマーたちのかき分けた道があるからだ。それを追いかけ、そしてさらにその先を目指そうとしている後進たちが育っていると思える。

 一本の筋となって繋がっていく過去と現在、そして未来のダンス系アーティストの流れを垣間見た様で感慨深い夜となった。